Facebook広告では画像広告や動画広告をはじめ、合計13個の広告フォーマットが用意されています。Facebook広告の効果を最大化するには、自社の商材や広告目標に合った広告フォーマットを選んで運用することが重要です。
本記事では、Facebook広告で利用できる13個の広告フォーマットそれぞれの特徴やメリット、さらにFacebook広告の配信先となる4つのプラットフォームの特徴について解説します。
Facebook広告の種類を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
Facebook広告には大きく3つの特徴があります。
1つは、合計13パターンの広告フォーマットから自社に適したフォーマットを選んで広告を配信できる点です。自社の広告目標や宣伝する商品・サービスの特徴に合った広告フォーマットを利用することで、より高い広告効果が期待できます。
2つ目の特徴は、ターゲティング精度の高さです。Facebook広告では、ユーザーが登録した年齢や性別、居住地、趣味、職業、興味関心などの情報に基づいて広告の配信先を絞り込めます。
さらには、Facebookプラットフォーム内におけるユーザーの最近の検索履歴を分析して、自社広告に関心度の高いユーザーをターゲティングすることも可能です。
最後に、自社広告に合った「キャンペーンの目的」を選択することで簡単に広告を最適化できることもFacebook広告の強みです。
「キャンペーンの目的」には、「認知」「トラフィック」「エンゲージメント」「リード」「アプリの宣伝」「売上」の6種類が用意されています。サービスの認知度を拡大したい、Webサイトの訪問数を増やしたい、見込み顧客リストを集めたいなど、自社の広告目的に合わせてキャンペーンを作成すればより効率的にターゲットへリーチできます。
なお、Facebook広告は運営元のMeta社によって頻繁に仕様変更が行われるのも特徴です。とくに広告ガイドラインは変更が多く、抵触すると広告の配信停止、最悪の場合は広告アカウントの凍結につながるリスクがあります。Facebook広告を運用する場合は、常に最新情報を確認して柔軟に対応することが重要です。
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ここでは、全13パターンの広告フォーマットについて、それぞれの特徴やメリット、向いているケースについて解説します。
画像広告は、1枚の画像に見出しや説明文といったテキストを組み合わせた広告フォーマットです。数あるFacebook広告のなかで最もシンプルなフォーマットで汎用性が高く、業界業種問わず幅広い企業が活用しています。
引用:Facebookフィードに配信する「認知度アップ」を目的とする画像広告の仕様 | Facebook広告ガイド
画像広告の最大のメリットは、Web広告初心者でも簡単に始められるハードルの低さです。画像素材1枚とテキストを用意するだけで広告を作成できて、自社の商品やサービスをプロモーションできます。
Web広告に興味があるものの何から着手すればよいか分からない場合は、まずはFacebook広告の画像広告から初めて効果検証してみるのがおすすめです。
なお、かつてFacebook画像広告には「画像内に占めるテキストの面積は20%未満でなければならない」というルールがあり、テキストが画像面積の20%を超えると広告審査に落ちてしまうという制約がありました。このルールは2020年9月を以て廃止され、現在は画像内に占めるテキスト面積の制限はありません。
【画像広告が推奨されるケース】
動画広告は、1つの動画とテキスト情報から構成される広告フォーマットです。前述した画像広告に次いでポピュラーな広告フォーマットで、業界や企業規模にかかわらず様々な企業が導入しています。
引用:Facebookフィードに配信する「認知度アップ」を目的とする動画広告の仕様 | Facebook広告ガイド
動画広告のメリットは、画像広告よりも多くの情報量を盛り込めることです。商品やサービスによっては、静止画とテキストだけではすべての魅力を伝えきれないケースも珍しくありません。動画広告では動画と音声が使えるため、自社商材の魅力をより強く訴求できます。高単価な商品やBtoBサービスなど、コンバージョンのハードルが高い広告を運用する場合も、動画広告であればユーザーに多くの検討材料を伝えられるためコンバージョン率の向上が期待できます。
【動画広告が推奨されるケース】
カルーセル広告は、画像広告と動画広告を組み合わせた広告フォーマットです。最大10個までの画像と動画を横に並べて表示し、ユーザーが自ら画面をスワイプして閲覧できます。
引用:カルーセル広告の7つの活用方法|Meta for Bussiness
カルーセル広告のメリットは、個々の画像や動画ごとに異なるURLリンクを設定できることです。例えば、プロモーションしたい商品が5つある場合、カルーセル広告であれば1つの広告で5つの商品をカタログ風に宣伝できます。
画像や動画ごとに商品詳細ページのURLリンクを設定できるため、Webページ遷移後にユーザーが欲しい商品情報を探す手間が減り、ユーザーに離脱されにくい広告になります。
【カルーセル広告が推奨されるケース】
スライドショー広告は、複数の静止画像を繋ぎ合わせて動画にする広告フォーマットです。3枚から10枚の静止画像に音声やテキストを組み合わせることで、画像広告よりも多くの情報をユーザーに訴求できます。
前述のカルーセル広告と似ていますが、カルーセル広告はユーザー自身が広告画像をスワイプするのに対して、スライドショー広告は自動的に画像が切り替わる点が異なります。
スライドショー広告のメリットは、動画制作のノウハウがなくても簡単に広告クリエイティブを作成できることです。画像素材が3枚以上あれば、Facebookの広告マネージャー上で手軽にスライドショーを編集できるので、広告用の動画を撮影するノウハウがない方や、動画制作に時間や費用をかけられない方でも気軽に利用できます。
【スライドショー広告が推奨されるケース】
コレクション広告は、複数の画像や動画を組み合わせた広告フォーマットです。メインビジュアルと商品画像の2つの要素で構成される点、また広告がクリックされるとWebサイトではなく自社LPに直接遷移する点が、前述したカルーセル広告やスライドショー広告との違いです。
引用:Facebookの「コレクション」でショッピングがもっと楽しく | Meta for Business
コレクション広告のメリットは、複数の画像や動画を通してユーザーに多くの情報を与えつつ、自然な形でLPに遷移できることです。購入や来店予約までに多くの検討材料が必要な商品やサービスを宣伝したい場合には、コレクション広告を活用することでコンバージョン率の向上が期待できます。
【コレクション広告が推奨されるケース】
インスタントエクスペリエンス広告は、クリック時にフルスクリーン型のLPを表示して商品やサービスの魅力を伝えられる、モバイル端末限定の広告フォーマットです。事前にLPが用意できていない場合も、Facebookが用意するテンプレートを使えば広告マネージャー上で簡単にLPを作成できるのが特徴です。
引用:インスタントエクスペリエンス広告:高速かつフルスクリーンのリンク先を作成する | Meta for Business
インスタントエクスペリエンス広告のメリットは、ユーザーに広告独特の不快感を与えることなく商品やサービスを宣伝できることです。全画面型のLPはユーザーの視覚に強く訴求できるほか、画像広告や動画広告よりも多くの情報量を盛り込めるため、商材の認知拡大からコンバージョン獲得まで様々な目的で利用できます。
【インスタントエクスペリエンス広告が推奨されるケース】
ダイナミック広告は、ユーザーの検索履歴や年齢、性別、居住地、興味関心などの属性に基づいて、自社のカタログ情報のうち関連度が高い情報を自動生成して配信できる広告フォーマットです。ダイナミック広告の画像はシングル画像、カルーセル、コレクションのうちいずれかの形式で作成できます。
引用:ダイナミックプロダクト広告で機器を問わずコンバージョンを促進 | Facebook for Business
ダイナミック広告のメリットは、自社サイト内のユーザーの行動履歴をもとにどの商品に興味があるかを学習し、最適な商品をユーザーにパーソナライズして表示できる点です。できるだけ広告運用の手間をかけずにコンバージョン確度の高いユーザーにアプローチしたい場合におすすめの広告フォーマットといえます。
【ダイナミック広告が推奨されるケース】
リード獲得広告は、見込み顧客リストを集めるための広告フォーマットです。事前にWebページやリードを獲得するための問い合わせフォームを準備できていない場合でも、Facebookのインスタントフォームを使えば簡単にフォームを作成できます。
引用:リード獲得広告が新機能でパワーアップ | Meta for Business
リード獲得広告のメリットは、必要最低限のページ遷移で見込み顧客リストを獲得できる点です。従来はFacebook広告から外部Webサイトに遷移し、そこからさらにフォーム入力ページに遷移してユーザーに必要事項を入力してもらうという流れでした。リード獲得広告であればFacebook上で広告配信からフォームの送信まで一貫して対応しているため、ユーザーに煩わしさを感じさせずに見込み顧客リストを集められます。
【リード獲得広告が推奨されるケース】
いいね!広告は、ユーザーから自社のFacebookページにいいねをもらうための広告フォーマットです。ページ名、ページの説明文、クリエイティブ画像があれば簡単に広告を作成できます。
いいね!広告のメリットは、自社のブランドや商品、サービスの認知度を向上できる点です。Facebookは、自分がフォローしたアカウントやFacebookページの投稿に関連する情報がタイムラインに表示されます。したがって、広告を除くオーガニック投稿を多くのユーザーに見てもらうためには、その前に多くのユーザーから自社のFacebookページをフォローしてもらう必要があります。いいね!広告によっていいね!をしたユーザーはFacebookページをフォローしたことになるため、フォロワー数を増やしたい企業におすすめです。
【いいね!広告が推奨されるケース】
イベント広告は、イベントに関心度の高いユーザーから参加を促すための広告フォーマットです。Facebook上で作成した自社イベントページに興味関心がありそうなユーザーをターゲティングして広告を配信できるので、展示会や各種セミナーなど様々なイベントを告知するうえで役立ちます。
イベント広告のメリットは、イベントに興味を示したユーザーを一人ひとり把握できる点です。「興味あり」「参加予定」などのアクションごとにユーザーの傾向に基づいて、自社のイベントがどのようなターゲット層に支持されているのか、どのような企画であればより多くの参加者が集まりやすいのかなどが分析できます。
【イベント広告が推奨されるケース】
Messenger誘導広告は、Facebookユーザー用メッセージアプリのMessengerへユーザーを誘導するための広告フォーマットです。ユーザーからの問い合わせや質問への対応をMessengerで一本化したい企業におすすめです。
引用:Messenger誘導広告について | Meta Businessヘルプセンター
Messenger誘導広告のメリットは、ユーザー側に負担をかけずにコミュニケーションが取れる点です。「サービスに興味があるものの、自らWebサイトを訪問するのは面倒臭い」と感じているユーザーでも、Messengerであれば心理的ハードルが低く問い合わせてもらいやすくなります。
【Messenger誘導広告が推奨されるケース】
プレイアブル広告は主にゲームなどのアプリケーションを広告する際に利用される広告フォーマットで、まだアプリをダウンロードしていないユーザーに体験プレイを促すことができます。
プレイアブル広告を配信するには、Facebook広告マネージャにてHTML5またはzipファイルのプレイアブルソースファイルのアップロードが必要です。
プレイアブル広告のメリットは、自社のアプリケーションの使用感や面白さをユーザーに体験してもらえる点です。アプリケーションの魅力は画像やテキストだけでは伝わりづらいので、実際にユーザーにプレイしてもらうことでダウンロードしてもらいやすくなります。
【プレイアブル広告が推奨されるケース】
クーポン広告は、自社の商品やサービスに関するお得なクーポンを宣伝できる広告フォーマットです。
このクーポン広告は2021年10月11日を以て廃止され、現在は新機能として「ショップのクーポン広告」という新フォーマットが開発中です。新機能の詳細については、公式サイトにてご確認ください。
※参考:Metaビジネスヘルプセンター クーポン広告について
Facebook広告では、「Facebook」「Instagram」「Messenger」「Audience Network」の4つのメディアで広告を配信できます。ここでは、掲載箇所ごとに特徴を紹介します。
Facebookでは、次の場所に広告を掲載できます。
Facebookの媒体特性としては、実名登録で原則1ユーザーあたり1アカウントまでしか所有できない点が他のSNSと異なります。数あるSNSの中でも特に実名性が高く、仕事関係のコミュニケーションツールとして利用しているユーザーが多いため、BtoBサービスを広告したい場合にはとくにおすすめのプラットフォームといえます。
Instagramでは、次の場所に広告を掲載できます。
InstagramはFacebookに比べユーザーの年齢層が若く、女性ユーザーに好まれているのが大きな特徴です。匿名登録可能、かつ1ユーザーが複数のアカウントを所有できるため、Facebookのような実名制の高さはありません。Instagramには最新トレンドに敏感なユーザーが多いため、アパレル系など流行の移り変わりが激しい商材の広告におすすめです。
Messengerでは、次の場所に広告を掲載できます。
Messenger広告は、前述した2つの掲載場所に比べると表示機会が少ない掲載場所です。あくまでFacebookおよびInstagramでの広告配信をメインとしつつ、認知度拡大を目的とする場合は補完的にMessenger上でも配信する、というように使い分けるのがおすすめです。
Audience Networkとは、Facebookと提携した外部Webサイトやアプリケーションを意味します。Facebook広告を利用すれば、次のような提携サイト上でも自社広告を配信できます。
Facebookによると、全世界で毎月10億人以上がAudience Networkの広告を見ています。自社の商品やサービスの認知度を拡大させるには、Audience Networkへの広告掲載が効果的です。
自社に合った掲載場所が判断できない場合は、Facebook広告の「自動配置(Advantage+ 配置)」機能がおすすめです。
広告作成時に「自動配置」を設定すると、Facebookのアルゴリズムが自社広告の内容やターゲットを自動で解析し、その後フィード広告を中心として配信先が自動で割り振られます。「自動配置」では広告効果が最大化するように掲載場所や掲載配分を常に自動で調整されるため、広告の運用負担を減らしながら、広告効果を最大化するのにおすすめの機能です。
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本記事では、Facebook広告で利用できる13の広告フォーマットと、Facebook広告を掲載できる4つの配信先について、それぞれの特徴を解説しました。
国内の月間アクティブユーザー数がおよそ2,600万人にのぼるFacebookは、様々なビジネスの広告プラットフォームに適しており、自社に適した広告フォーマットを用いて広告を運用すれば、自社のビジネスに大きな効果が期待できます。
他の記事ではFacebook広告の効果についてより詳細に解説しているので、興味がある方はそちらも合わせてご覧ください。