リード獲得は、売上や利益のアップなどビジネスを発展させるための第一歩として、重要なプロセスです。
本記事では、BtoBビジネスにおけるリード獲得を考えている方に向け、幅広いリード獲得手法を潜在層向けと顕在層向けに分類し、成功パターンなども交えながら、詳しく解説します。
リードとは、自社の製品やサービスに興味・関心を持ち、近いうちに購入もしくは契約してくれる可能性の高い、見込み客のことです。
そしてリード獲得とは、様々な手法により見込み客の情報を集めることであり、そのためにはターゲットによって最適な手法を選択することが重要になります。以下より、リードに関係する基本的な4つの取り組みについて解説します。
「リードジェネレーション」とは、リード獲得と同義、もしくはそのための手法や施策を指します。リードジェネレーションでは、ターゲットの興味喚起を促し、問い合わせや資料請求などのアクションを発生させて、見込み客の情報を集めます。
法人を相手にするBtoBビジネスでは、購入や契約において鍵を握る担当者や決裁者、経営層などのリードを獲得することが、売上や利益という成果につなげるために重要となります。
リードジェネレーションによって獲得した見込み客に対し、自社の製品やサービスに対する購買意欲を高め、顧客になるまでに育成することを「リードナーチャリング」と呼びます。
具体的な活動としては、イベントやセミナーへの招待、インサイドセールスの実施、MAツールを活用したコミュニケーションなどです。
一般的にBtoBビジネスでは興味・関心を持ち始めてから購入・契約に至るまでのリードタイムが長くなるため、その間にどのようなリードナーチャリングを行うかは重要です。
リードナーチャリングを実践していく過程において、それぞれのリードにおける企業情報や検討状況を数値化し、評価するのが「リードスコアリング」です。
言い換えれば、購入や契約というゴールに至る道のりの中で、現在どのステージにいるのかを可視化することです。
リードスコアリングの結果により、各リードに優先順位をつけながら、それぞれに適切なタイミングに的確な施策でアプローチを続けることが必要です。
リードスコアリングによって各リードにおける現在のステージを明らかにした上で、購入や契約に至る可能性が高いリード(ホットリード)を選別することを「リードクオリフィケーション」と呼びます。
リードスコアリングとともに、リードナーチャリングにおける取り組みの一環です。
リードクオリフィケーションによって絞り込まれたリードに対し、集中的にセールス活動を仕掛けることにより、効率よく成果につなげられるようになります。
潜在層は、漠然とした興味・関心はあるものの、自社の製品やサービスに対するニーズがまだ顕在化していないターゲットです。以下より、潜在層向けのリード獲得手法を紹介します。
プレスリリースは、自社の製品・サービス情報や事業活動などをメディアに取り上げてもらうために配信するものです。
新聞やテレビ、著名なニュースサイトなど、影響力のあるメディアに取り上げられれば、信頼性の高い情報として不特定多数にリーチできます。
あらゆる企業が配信するプレスリリースが日々あふれる中、一つでも多くのメディアに取り上げられるためには、魅力のある効果的なプレスリリースを作成する必要があります。
また、BtoBビジネスにおいては、ターゲットとなる企業の担当者や経営者が目にするメディアでなければ、リード獲得の効果は期待できません。そのため、自社商材との親和性が高いメディアを選定し、プレスリリースを行っていきましょう。
電車の中吊り広告やバス、タクシー、駅構内の看板など、交通機関やそれに関連する場所に広告を掲載し、移動中のターゲットにアプローチする手法が交通広告です。
通勤などで毎日繰り返し目にすることで、興味・関心が高まる効果については、心理学でも証明されています。交通広告は、デザインや内容に工夫を凝らすなどの策により、見る人にインパクトを与える必要があります。
電車の一車両をすべて同じ広告で独占する「トレインジャック」と呼ばれる手法で、大きなインパクトを与えながら多大な効果を生み出した例はご存じの方も多いでしょう。
BtoBビジネスにおいては、直接リード獲得につながる効果よりも、ブランディングや認知拡大といった間接的な効果が期待できる手法と言えます。
看板広告は、長期にわたって掲載されることが多く、交通広告と同様、不特定多数が繰り返し目にするものです。
デザインなどの工夫によりインパクトが伴えば、掲載されたエリアにおいて高い訴求力を発揮します。特にBtoBビジネスにおいては、リード獲得を狙うというより、知名度向上の目的で利用されることが多い手法です。
メディア掲載(パブリシティ)は、プレスリリースと同様、メディアに自社の情報を取り上げてもらうことで不特定多数へのリーチが見込めます。
BtoB企業やその製品・サービスは、BtoC企業のそれらに比べて、メディアに興味を持ってもらいづらい側面があります。
それでも、多くのBtoB企業がパブリシティに力を入れているのは、新聞やテレビなど影響力の大きいマスメディアに取り上げられれば、多くのリード獲得が期待できるためです。
ディスプレイ広告は、バナーなどの形で、Webサイトの広告枠に表示されるものです。
後述するリスティング広告と比べて、ビジュアルによる訴求が可能なため目に留まりやすい、ニーズが顕在化していない潜在層にアプローチしやすい、などの特徴があります。
また、利用者属性や行動履歴などによるターゲティングができるため、ターゲットとなる企業の担当者に合わせて設定を行うことにより、リード獲得につなげられます。
動画広告は、テキストや静止画ではなく、動画を活用した広告です。動きがあるため目に留まりやすく、視覚と聴覚から多くの情報を伝えられるところに特徴があります。
また、ストーリー性を持たせることで、テキストや静止画では伝えられない魅力をアピールすることも可能です。
現在では、マーケティング戦略の一環として、多くの企業が動画広告を活用しています。
特に、事業内容が複雑であることも多いBtoB企業では、単純なテキストや静止画ではなく、動画を用いることで、製品やサービスの魅力を余すところなく伝えることが可能になります。
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNS上に広告を掲載するSNS広告は、その特性である爆発的な拡散により、多くの認知を得られる可能性があります。いわゆる「バズる」という状態です。
とはいえBtoBビジネスにおいては、消費者に直接訴えるBtoCビジネスよりも難しいと言えるでしょう。
それでも、インパクトのある魅力的な広告で拡散を誘発し、話題となることができれば、それに目をつけたメディアに取り上げられるなど、間接的な効果は期待できます。
オフラインでのリアルなコミュニケーションが可能な展示会は、Webによるオンラインでのマーケティング活動が普及している昨今においても、重要な手法として盛んに活用されています。
展示会は特定のテーマに沿って開催されるため、そのテーマに興味・関心のある人が多く来場するからです。
ただ、来場者は展示会のテーマに対して漠然とした興味・関心があるのであって、自社の製品やサービスに対して興味・関心を持ってくれるとは限りません。
とはいえ、効果的なアプローチにより潜在ニーズを掘り起こすことができれば、有望なリードになってくれる可能性は高いと言えます。
顕在層は、自社の製品やサービス、あるいはその当該ジャンルに対する明確な興味・関心があり、そのニーズが顕在化しているターゲットです。以下より、顕在層向けのリード獲得手法を紹介します。
検索連動型広告とも呼ばれるリスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索サイトにおける検索結果一覧ページに、入力されたキーワードに関連する広告が表示されるものです。
キーワードにはユーザーの意図や目的が反映されているため、ニーズの高い顕在層に訴求することができます。
そのため、課題や悩みを解決したい企業の担当者が入力するキーワードを推測し、それに応える広告を表示することで、リード獲得につながる可能性が高くなります。適切なキーワードの選定により、大きな成果を上げている成功例は数多くあります。
リターゲティング広告は、ユーザーが閲覧したWebサイトにおける製品やサービスの情報が、他のサイトでも広告として表示されるというものです。その特性から、追跡型広告とも呼ばれています。
自社サイトを訪れてくれたユーザーは、自社の製品やサービスに対して一定の興味・関心があると考えられるため、他のサイトを閲覧した際にもその広告が表示されると、何らかのアクションを起こすきっかけとなる可能性があります。
やみくもに広告を表示するよりも高い効果が期待できる手法です。
Webによるマーケティング活動が普及している現在でも、電話を活用した施策は有意義な手法です。
口頭によるダイレクトなコミュニケーションが図れるため、ターゲットの詳細なニーズを引き出しながら、自社の製品やサービスの特徴・強みなどを丁寧に説明することが可能だからです。
単にアポイントを取ることを目的とするだけでなく、商談と同程度の説明まで行うこともあります。移動・訪問といった手間や時間をかけず、スピーディに購入や契約まで持ち込むことも可能となります。
Webを活用したオンラインセミナーを意味するウェビナーは、インターネットの普及に加え、コロナ禍などによる社会環境の変化も相まって、急速に浸透しました。
開催場所を気にする必要がなく、コストも抑えられることから、様々な企業で採用されているマーケティング手法です。
ウェビナーによる効果的なリード獲得のためには、テーマの選定や絞り込みはもちろん、事前の告知や集客が重要です。ターゲットとなる企業の担当者をどれだけ集められるかに成否がかかっていると言えます。
ホワイトペーパーは、活用事例や技術要項などを含め、製品・サービスの詳細な情報をまとめた報告書です。
BtoBビジネスにおいて広く活用されているもので、多くはPDFなどの形でWebサイトからダウンロードする際に、企業名やメールアドレスなどを入力してもらうことにより、リードを獲得します。
扱っている製品やサービスが専門的・高価格などの理由で、購入・契約に至るまでのリードタイムが長くなりがちな場合は、丁寧な説明をホワイトペーパーに記載することで、ターゲットの理解促進を速めることができます。
テーマや内容によって、顕在層向けにすることもできれば、潜在層のリード獲得に役立てることもできます。
以上、8つのBtoB潜在層向けリード獲得手法と、5つのBtoB顕在層向けリード獲得手法について、解説してきました。
BtoBビジネスでは、事業内容が複雑であることが多く、ターゲットの範囲も絞られるため、リード獲得が思い通りにならないケースが往々にしてあります。
本記事の内容を踏まえて、効果的なリード獲得手法を活用し、ぜひ多くのリードを獲得してください。