Web/SNS広告には数多くのフォーマットが存在しますが、そのうちの1つであるカルーセル広告は、様々な企業が幅広い目的で活用しています。
そこで本記事では、カルーセル広告とはどういうものかを知りたい方、カルーセル広告の運用を検討している方などに向け、主にFacebookのカルーセル広告を例にしながら、前半ではその特徴やメリット・デメリットといった基礎知識について、後半では扱う媒体や入稿方法、効果を出すコツなどについて、詳しく解説します。
カルーセル広告とは、複数の画像や動画を横並びに表示し、それぞれについて見出しやリンクなどを設定できる広告フォーマットです。
テキスト広告や単一の画像広告に比べ、より多くの情報を発信できる魅力的なフォーマットとして、様々な企業で活用されるようになりました。
IT用語としての「カルーセル」には、画像など複数の項目をスライドさせながら切り替えられる仕組みという意味があり、カルーセル(回転木馬)のように回る動きから、その名が付けられています。
以下より、数多くある広告フォーマットの中からカルーセル広告を選択するべきか迷っている方に向け、Facebookを例にしながらカルーセル広告のメリットについて紹介します。
Facebookのカルーセル広告では、2枚から最大10枚までの画像や動画を表示できます。単一の画像広告に比べて掲載できる情報量が増えるため、商品の魅力をより効果的に伝えながら、ユーザーへの訴求力を高めることが可能です。複数の画像や動画を活用した実例などについてより詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
Meta for Business『カルーセル広告の7つの活用法』
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
カルーセル広告では、表示する画像や動画ごとにリンク先URLを設定できます。例えば、商品Aの画像には商品Aの詳細ページへのリンク、商品Bの画像には商品Bの詳細ページへのリンク、といった形です。
そのため、それぞれの画像や動画に最適なページを設定することによってユーザーが遷移した際の、成果が期待できます。
次に、Facebookにおけるカルーセル広告のデメリットを紹介します。カルーセル広告の利用を検討する際には、メリットだけではなく、デメリットも押さえておきましょう。
Facebookのカルーセル広告では、画像や動画ごとに異なる内容を設定できるのは見出しとリンク先URLのみで、前述したCTAボタンや、広告の説明文となるメインテキストは、1つの広告内で共通となります。
そのため、すべての画像や動画において違和感のない内容にする必要があります。
ここまで、カルーセル広告の特徴やメリット・デメリットについて解説してきましたが、まだ具体的なイメージが湧かないという方に向け、以下よりカルーセル広告における実際の活用例を紹介します。
画像や動画ごとに別のリンク先を設定できるというカルーセル広告の特徴により、カテゴリが異なる複数の商品であっても、1つの広告で打ち出すことが可能です。
例えば、それぞれの商品についての詳しい説明を掲載したLP(ランディングページ)をリンク先に設定することで、ユーザーに対する訴求力の向上が期待できます。
※ 画像引用元:Meta for Business『カルーセル広告の7つの活用法』
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
複数の画像が設定できるカルーセル広告では、色違いの商品を並べたり、特に注目してもらいたい部分のクローズアップ写真を含めたりすることで、1つの商品を多角的な視点から丁寧に紹介することが可能です。
これにより、ユーザーがその商品に魅力を感じてくれる可能性が高まります。
※ 画像引用元:Meta for Business『カルーセル広告の7つの活用法』
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
カルーセル広告では、スライドにより複数の画像や動画が切り替わる特徴を活かして時間軸を表現できるため、商品の使い方やレシピといった流れのある内容を説明することが可能です。
単一の画像やテキストを駆使しながら説明するよりも分かりやすくなり、商品の魅力や特徴をより明確に伝えられます。
※ 画像引用元:Meta for Business『カルーセル広告の7つの活用法』
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
スライドにより複数の画像や動画が切り替わるというカルーセル広告の特徴を活用することで、紙芝居のようなストーリー性を持たせることも可能です。
例えば、商品がどのように使われ、ユーザーの生活がどう変わったのかといった内容をカルーセル広告で表現すれば、その商品の魅力を最大限に伝えられる可能性があります。
※ 画像引用元:Meta for Business『カルーセル広告の7つの活用法』
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
カルーセル広告を扱う媒体は複数あるため、利用する際には自社の状況に合った媒体を選定する必要があります。以下より、どの媒体を選定するか迷っている方に向け、それぞれのカルーセル広告における特徴と配信面(広告が表示される場所)について、紹介します。
Facebookのカルーセル広告は、他の媒体よりも配信面が豊富なのが特徴です。Messengerなど、提携しているメディアにも配信できます。
<配信面>
Instagramは、そもそも写真・動画共有のSNSであるため、カルーセル広告との相性が良い媒体といえます。投稿とストーリーズに配信されるタイプがあり、画像や動画のフォーマットなどが異なります。
<配信面>
Twitterのカルーセル広告では、以前は画像や動画ごとに異なるリンク先URLの設定が不可能でしたが、現在はできるようになりました。
一方で、FacebookやInstagramのカルーセル広告には実装されている、表示される画像や動画の順番を自動で最適化する機能がないため、そこは明確に指定する必要があります。
<配信面>
日本で最も普及しているコミュニケーションツールであるLINEを活用した広告は、幅広い属性を持つ多数のユーザーにアプローチできることが特徴です。カルーセル広告では、正方形(サイズ1,080×1,080)の画像のみ使用可能です。
<配信面>
Google広告では、キャンペーン作成時にファインドキャンペーンを選択することで、カルーセル広告の配信が可能になります。配信面は多くないものの、広く普及しているGmailやYouTubeに配信できるため、多数のユーザーへのアプローチが可能です。
<配信面>
Yahooにおけるカルーセル広告は、比較的最近リリースされた新しいものです。配信面は限られており、用途も「アプリ訴求」「サイトへの誘導」「コンバージョンの獲得」のみとなっています。
<配信面>
Facebookにおけるカルーセル広告の設定は、他の広告フォーマットと大きく変わるところはありません。
広告設定のフォーマットから「カルーセル」を選択し、あとはカルーセルカード(カルーセル広告に設定されるそれぞれの画像や動画)を追加の上、見出しやリンク先URLなどを設定していくだけです。
注意すべきは、設定する際にある「一番パフォーマンスが高いカードを自動的に最初に表示」のチェックが付いたままだと、カルーセルカードを表示する順番が自動で最適化されてしまうことです。
カルーセル広告に流れやストーリー性を持たせるために、意図した順番で表示したい場合は、このチェックを外しておく必要があります。
以下より、実際にカルーセル広告の運用を始める方に向け、それぞれの媒体における画像フォーマットや文字数などの入稿規定を紹介します。
<画像>
<動画>
<ロゴ画像>
<広告文>
<画像>
(フィード)
(ストーリーズ)
<動画>
(フィード)
(ストーリーズ)
<ロゴ画像>
<広告文>
<画像>
<動画>
<ロゴ画像>
<広告文>
<画像>
<動画>
<ロゴ画像>
<広告文>
<画像>
<動画>
<ロゴ画像>
<広告文>
<画像>
<動画>
<ロゴ画像>
<広告文>
以下より、カルーセル広告の運用に不安がある方や、既に運用しているものの思うような効果が上がらず悩んでいる方に向け、カルーセル広告で効果を出すための画像や動画選定のポイントを紹介します。
カルーセル広告における1枚目の画像は、ユーザーが最初に目にする重要なものとなるため、アイキャッチを意識する必要があります。
ユーザーの興味・関心を惹き付け、2枚目以降の画像を見てもらわないことには、カルーセル広告である意味が薄れてしまうからです。
FacebookやInstagramのカルーセル広告では、一番パフォーマンスが高いカルーセルカードを自動で最初に表示する機能もあるため、必要に応じて有効に活用しましょう。
カルーセル広告は、ユーザーのスワイプ(PCの場合は矢印のクリックなど)によって任意にスライドしてもらうことで、その効果がより発揮されます。
そのため、2枚目以降の画像は、背景を異なるものにするなど1枚目との差別化を図りながら、続きが気になるようなものを設置するといった、ユーザーのスワイプを促す工夫が重要です。
カルーセル広告で動画を設定した場合は、再生時間があまり長くならないような配慮も必要です。
特に1枚目の動画が長いと、2枚目のカルーセルカードを見る前にユーザーが離脱してしまう可能性が高くなります。
カルーセル広告の特徴を活かすには、短時間で2枚目にスライドするような構成にしたほうが賢明といえるでしょう。
以上、主にFacebookのカルーセル広告を例にしながら、その特徴やメリット・デメリット、活用例や入稿方法、効果を出すコツなどについて、解説しました。
複数の画像や動画、それぞれのリンク先URLなどが設定できるカルーセル広告は、テキスト広告や単一の画像広告に比べて活用の幅が広がるため、適切に運用することで大きな成果に結び付く可能性があります。
本記事の内容を参考に、その特徴を活かした効果的なカルーセル広告の運用を、ぜひ検討してみてください。