「ホワイトペーパーのタイトル、どうしよう?」
ホワイトペーパーを作る多くの人が、タイトルをどうするかで悩んでいます。
タイトルについて深く悩むのは、とても正しく賢明なことといえます。なぜなら、タイトルのでき次第で、ホワイトペーパーの成果が変わるからです。
本記事では、以下を解説します。
本記事のノウハウを使って、“なんとなく” ではなく確信を持って、成功確率の高い戦略的なタイトルを作れるようになりましょう。
最初に、
「どんなタイトルを理想として目指すべきか?」
をイメージするために、優れたタイトルの条件から解説します。
以下の3つがポイントです。
ひとつずつ見ていきましょう。
1つめの条件は「アイキャッチ力がある」です。
印象的なタイトルで興味を抱かせることほど、効率的にホワイトペーパーの読者数を増やせる方法はありません。
アイキャッチ力のあるタイトルがあれば、多くの顧客の興味関心を刺激し、ダウンロードを促進する動機づけとなります。
アイキャッチ力のあるタイトルを具体的にいえば、
「そのタイトルを見かけた瞬間、視線が他に流れることなく、そのタイトル上で目が留まる」
とイメージしてください。
2つめの条件は「自分向けだとわかる」です。
ホワイトペーパーのタイトルは、アイキャッチ力だけでは不十分です。顧客が「自分向けだ」と理解できなければなりません。
たとえば、ユニークで斬新なフレーズや、ドキッとさせるような言葉遣いをすると、タイトルにアイキャッチ力をつけることはできます。
しかし、ホワイトペーパーは趣味・娯楽の分野ではなく、ビジネス分野のコンテンツなので、顧客のビジネスと関連性があることも、同時に伝える必要があるのです。
タイトルで心をつかまれたとしても、自分のビジネスとの関連性を見いだせなければ、数秒後にはホワイトペーパーから離れてしまうでしょう。
3つめの条件は「読むと何を得られるか明確になっている」です。
ホワイトペーパーの読者は「タイムパフォーマンス」にシビアである という事実を、念頭におきましょう。
なぜなら、ホワイトペーパーは、プライベートの時間ではなく業務時間を割いて読まれるからです。
利益にならないことには、時間を割く気になりません。
「このホワイトペーパーを読むと、何が得られるのか?(何を達成できるのか?)」
が盛り込まれていることが、優れたタイトルの条件です。
ここからは実践の話に移ります。
前述の条件を満たすタイトルを作るためには、以下のステップを実行してください。
それぞれ詳しく解説します。
タイトルを作るうえで必要となるのは、ペルソナです。
ペルソナとは、ターゲットとする顧客を、実在する人のように詳細に描き出した人物像のことです。以下のような「ペルソナシート」として、具体的にまとめます。
注意点として、ペルソナは架空の人物像ではありますが、想像で作るものではありません。
市場調査や、実在する顧客の観察、社内の知見や経験知など、データに基づいて、根拠を持って設定します。
具体的なプロセスは、以下のとおりです。
▼ ペルソナづくりのプロセス
1. 情報を集める | 購入履歴や製品の利用状況、顧客へのインタビュー、営業担当者へのヒアリング、外部の定量調査データなどを活用する。消費者行動分析サーピスを利用すると、「30代・男性会社員・既婚」といった属性や、利用しているウェブサイトなど、実態に近いペルソナの情報を入手できる。 |
2. 共通項を探す | 性別・年代・職業・年収などの「基本属性」、趣味・消費傾向・利用しているメディアやアプリなどの「行動属性」を洗い出し、行動の動機に共通する特徴を見つけて分類する。この共通項の見つけ方で、特定セグメントにおける代表性のあるペルソナかどうかが決まってくる。 |
3. 言語化して人物像に仕上げる | 「ペルソナシート」を使って情報を整理する。履歴書のようなスタイルで、わかりやすく人物像をまとめることができる。 |
4. 答え合わせする | 作成したペルソナを、実際の願客行動に照らし合わせて、ギャップを検証する。ペルソナが現実と大きく異なる場合、有効性が低下するため。 |
参考:加藤 希尊『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ』
次に、タイトル案の骨子を作ります。
このとき、タイトルに「問題解決策」を盛り込むことを意識します。
「プロブレム」→「ソリューション」の形式で、たたき台となる草案を作りましょう。
▼ 骨子の作成例
1. プロブレム(問題) | カスタマーサポートがうまくいかず顧客離れに不安がある |
2. ソリューション(解決策) | FAQシステムを導入する |
3. タイトルの骨子 | カスタマーサポートの失敗で起きる顧客離れをFAQシステム導入で解決する方法 |
プロブレム(問題点、悩み、困りごと)を描くときに役立つのが、前項の「ペルソナ」です。
ペルソナを、リアルかつ詳密に設定できていれば、その人物がどんな悩みを抱えているか、スラスラと書き出せるはずです。
逆に、考え込んで、ひねり出さないと出てこない状態であれば、ペルソナ設定が甘い状態といえます。
無理やり先に進めずに、前項のステップへ戻り、ペルソナをじっくりと練り上げてください。
なお、この時点では、表現を磨く必要はありません。淡々とした素朴な文章で構いませんので、骨子をまとめてください。
タイトルの骨子ができたら、肉付けして、ブラッシュアップしていきます。
以下に肉付けのヒントをご紹介します。
※全ての手法を盛り込むのではなく、ケースバイケースで取捨選択しながら複数のタイトル案を作成し、魅力的なタイトルを見つけてください。
「自分向けのホワイトペーパーだ」と思ってもらうために、ペルソナがハッと振り返るであろう言葉を入れます。
たとえば、前述のサンプル例では「カスタマーサポート部のシニアマネジャー」がペルソナです。
以下のようなフレーズがあったら、自分向けだと目が留まるでしょう。
数字を入れると、アイキャッチ力が強まることは、ライティングの世界では昔からよく知られています。
▼ 数字を入れた例
同じ言葉でも、質問形式にしてみることで、アイキャッチ力が高まります。
▼ クエスチョンの例
ホワイトペーパーで提供する情報が、鮮度の高いものならば、新しさを表現する言葉を追加しましょう。
人は、「新しい情報ほど価値がある」と認識する傾向があります。
タイトルは、できるだけ短くてパンチが効いている必要があります。長くなるほど、一瞬で理解できなくなり、読者が目を留める可能性が減ってしまいます。
「意味はキープしたまま、1文字でも短くできないか?」
という視点で、推敲しましょう。
たとえば、骨子の草案なら、以下のように短縮できます。
実際にタイトルを考えるときには、事例があると、インスピレーションが湧きやすくなるでしょう。
以下に実在するホワイトペーパーのタイトル例をご紹介します。
ご紹介するのは、日経BP系で紹介されたホワイトペーパーです。
※厳密には、タイトルよりもキャッチコピー(ホワイトペーパーへのアクセスを促すコピー)が多いのですが、あえてキャッチコピーであっても、訴求力が強いものをご紹介しています。ホワイトペーパーのタイトルをブラッシュアップするには参考になるためです。
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最後に、ホワイトペーパーのタイトルを考える際の注意点を2つ、お伝えします。
タイトルのつけ方のテクニックが身につくほどに注意したいのは、
「タイトルを巧みに練り上げた結果、ダウンロード数は多いが、商談にはつながらない」
という事態を招くリスクです。
なぜ、このような失敗に陥るのかといえば、タイトルによって過剰に高められた期待値に対して、ホワイトペーパーの中身が釣り合っていないためです。
読者は、期待を煽られてから裏切られることになり、企業に対する不信感を抱くことになります。
期待を過剰に高め、いざ読んでみると「これなら読む価値はなかった」とガッカリさせるタイトルは、弱いタイトルよりも有害です。
一度、失望させられた顧客は、もうその企業と取引しようと思わなくなるためです。
タイトルだけを磨き上げても、意味はありません。
最終的に目指すのは、売上の最大化であり、顧客と長期的に良好な関係を築くことであるはずです。
その目的を見失うことなく、ホワイトペーパーの中身と連動した、ベストなタイトルを推敲しましょう。
強いタイトルに対して、中身が足りないと感じたら、中身もブラッシュアップしてください。相互に連携しながら、全体の成果を高める意識が大切です。
本記事では「ホワイトペーパーのタイトル」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。
優れたホワイトペーパーのタイトルには 3つの条件があります。
条件を満たすホワイトペーパーのタイトルの付け方として、以下をご紹介しました。
ホワイトペーパーのタイトルを考える際には、以下のポイントにご注意ください。
より多くの人に、ホワイトペーパーで価値を届けられるよう、タイトルを磨き上げていきましょう。
さらにノウハウを知りたい方むけに「ホワイトペーパー制作完全ガイダンス」をご用意しました。