「ホワイトペーパーの表紙」はこう作る!掲載要素とデザインのコツ

「ホワイトペーパーは、表紙で成果が変わる」

というのは本当です。

読者からの注目を集め、ダウンロード数を増やし、成約数を増やすためのカギとなります。

しかし、多くの方は、ホワイトペーパーの表紙にこだわっていません。ほかのページの延長線上で、表紙の作成を簡単に済ませてしまいます。

本記事では、以下を学ぶことができます。

  • ホワイトペーパーの表紙が与える影響とは?
  • 表紙に掲載すべき5つの要素
  • 優れた表紙デザインを作るポイント

せっかく作成したホワイトペーパーが、成果を最大限に発揮できるよう、表紙を戦略に作り込めるようになりましょう。

1. ホワイトペーパーの表紙が影響を及ぼす3つの数値

ホワイトペーパーの表紙が影響を及ぼす3つの数値

ホワイトペーパーの表紙は、具体的に以下3つの数値に影響を与えます。

  • ダウンロード数
  • 閲読率
  • 満足度

表紙づくりに取りかかる前に、詳しく把握しておきましょう。

1-1. ダウンロード数

1つめは「ダウンロード数」です。

というのは、ホワイトペーパーの表紙は、Webサイト上のダウンロードページで、プレビュー画像として掲載される機会が多いためです。

▼ プレビュー画像の例

ホワイトペーパー プレビュー画像の例

顧客はホワイトペーパーの表紙を見て、瞬時に「ダウンロードする/しない」の意思決定をしています。

ダウンロードしてもらうために必要なことは、

「プロフェッショナルによって書かれた、私が知りたいことが書いてあるホワイトペーパーだ」

と、表紙を見て「3秒以内」にわかることです。

3-30-3の法則

「3秒以内」という数値について、補足説明をしておきましょう。

ホワイトペーパーやブログ記事など、コンテンツマーケティングの文章術で言われている法則として、「3-30-3の法則」があります。

「3秒で注意を引きつけ、30秒で関心を高め、3分でコンテンツを読む」

というものです。

表紙に与えられた猶予は「3秒」と考えてください。3秒以内に顧客を引きつけることができなければ、その人は、ほかのページへ離れていってしまいます。

1-2. 閲読率

2つめは「閲読率」です。

閲読率に影響するプロセスには2つのルートがあり、1つめはダウンロードした直後です。

多くのホワイトペーパーは、PDF形式になっています。顧客はPDFをダウンロードして、Acrobat Readerなどでファイルを開くステップを踏みます。

PDFファイルを開いてみたものの、表紙を見て、期待を削がれる印象があったり、面倒になったりすれば、読まれることなくゴミ箱行きです。

2つめのルートは、ホワイトペーパーが紙にプリントアウトされた後です。

ホワイトペーパーは、ダウンロードした人物だけでなく、その人物の勤務先の同僚・上司・決裁者などに回覧されることが、珍しくありません。

あるいは、社内メールやチャットで転送されることもあります。

ダウンロードした人物から経由して社内に拡散したとき、より多くの人に見てもらえるか?という点で、表紙は非常に重要です。

ホワイトペーパー配布ページに記載するキャッチコピーなどのサポートなしに、ホワイトペーパーの表紙だけの訴求力で、勝負しなければならないシーンです。

1-3. 満足度

3つめは「満足度」です。

「ホワイトペーパーを読む前に、表紙を通じて、どんな期待値のマインドセットを作るか?」

によって、読み終えた後の満足度が変わります。

どんなにすばらしい内容のホワイトペーパーだったとしても、“事前に読者が抱いている期待値の種類や高さに対応した満足度” を提供できなければ、読者の評価は低いものとなります。

ホワイトペーパーの表紙には、ホワイトペーパーの中身に対して、顧客の期待値が誤った方向へいかないようコントロールし、最大限の満足度を引き出す役割があるのです。

読後の満足度が高ければ、コンバージョンに直結しますから、ホワイトペーパーの成果を上げる重要ポイントといえます。

2. ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素

ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素

ここからは実践的な話に移っていきましょう。

よくある質問として、

「ホワイトペーパーの表紙には、何を掲載すればよいですか?」

というものがあります。

基本パターンとして、次の4つの要素を入れてください。

  • メインタイトル
  • サブタイトル
  • キービジュアル
  • 発行者(企業名・ロゴ)

ひとつずつ見ていきましょう。

2-1. メインタイトル

ホワイトペーパー メインタイトル

1つめの要素は「メインタイトル」です。

表紙で最も存在感を放つのがメインタイトルですから、表紙を作るうえでは、

「メインタイトルのテキストをどうするか?」

が切り離せない命題です。

ホワイトペーパーのタイトルについて詳しくは「ホワイトペーパー タイトル」の記事で解説していますので、ぜひ一読してみてください。

簡単に要点だけお話すると、タイトルがすべきことは、

「あなたが抱えている問題の解決策が、このホワイトペーパーに載っています」

と伝えることです。

文章が長くなると、3秒以内に顧客が理解できません。一目で意味がわかる、短くてパンチの効いたタイトルを考えましょう。

2-2. サブタイトル

ホワイトペーパー サブタイトル

2つめの要素は「サブタイトル」です。

メインタイトルを短くパンチの効いたものにした分、説明不足が生じるかも知れません。

その場合には、メインタイトルのすぐ近くに、メインタイトルを補足するテキストを配置します。これが、サブタイトルです。

メインタイトルで表現した解決策の中身を具体化して、読者がイメージできるようにしましょう。

上記画像のサンプル例では、以下の構造となっています。

  • メインタイトル:ホワイトペーパー制作完全ガイダンス
     ↓
  • 具体的には?
    サブタイトル:テーマ・構成・文章作りが丸わかり

2-3. キービジュアル

ホワイトペーパー キービジュアル

3つめの要素は「キービジュアル」です。

キービジュアルは、伝えたいメッセージをビジュアルとしてコンセプト化したもので、ホワイトペーパーにおいては、見る人の注意を引くうえで有益です。

「ホワイトペーパーを掲載するWebサイトの世界観を壊したくない」といった意図があれば、Webサイトのトーン&マナーの範囲内で、抽象的なイラストなどを配置する方法があります。

ビジュアルは、ロイヤリティーフリー素材を提供しているストックフォトサイトで探すのがおすすめです。

▼ 代表的なストックフォトサイト

上記は有料サイトですが、有料サイトを利用したほうが、良質なビジュアルを入手できます。

2-4. 発行者(企業名・ロゴ)

ホワイトペーパー 発行者(企業名・ロゴ)

最後に4つめの要素は「発行者」です。

自社の認知度を上げるためには、企業名やロゴのフリクエンシー(接触頻度)を高める、地道な努力が不可欠です。

テキストだけでなく、「色」「形」といった視覚的な情報とセットになっていたほうが、人間の記憶に残りやすくなります。

ホワイトペーパー ロゴ

たとえば“shovel”という社名は記憶に残らなくても、

「青いイメージの…」「丸いシャベル(スコップ)のマークの…」

という具合に、覚えやすくなるのです。

企業名やブランド名が、ロゴマークやコーポレートカラーとあわせて読者の目に触れるように、設計しましょう。

3. ホワイトペーパーの表紙デザインを洗練させるテクニック

ホワイトペーパーの表紙デザインを洗練させるテクニック

表紙の掲載要素を並べてみても、

「デザインがあかぬけておらず、素人が作った感じが丸出しな気がする……」

と悩むことがあるかもしれません。

多くの場合、簡単なテクニックで解消できます。以下を試してみてください。

  • フォントと色を統一する
  • ドロップシャドウなどのテキスト装飾をしない
  • タイトルに一瞬で目がいくように要素にメリハリをつける
  • センターや端をそろえる

ひとつずつ見ていきましょう。

3-1. フォントや色を統一する

まず、フォントや色を統一するようにします。

▼ ×:フォントや色が統一されていない例

ホワイトペーパー フォントや色を統一する ×:フォントや色が統一されていない例

上記の例では、ブルーを基調としたロゴやキービジュアルに対してタイトルが赤であることや、フォントがバラバラで統一されていないことが原因で、デザインがちぐはぐに見えています。

フォントと色を統一するだけで、ちぐはぐ感が消え、洗練されたデザインに見えるはずです。

※フォントや色の選び方についてはこれさえ読めば失敗しない「ホワイトペーパーのデザイン」重要ポイントにて詳しく解説しています。参考にしてみてください。

3-2. ドロップシャドウなどのテキスト装飾をしない

PowerPointやWordには、テキストを装飾する機能(ワードアート)がありますが、これらは使わないでください。

▼ ×:テキスト装飾をした例

ホワイトペーパー ドロップシャドウなどのテキスト装飾をしない ×:テキスト装飾をした例

ドロップシャドウや斜体などの装飾をすると、「ダサい」と感じる人が多いためです。シンプルなほうが、洗練されたデザインに見えます。

文字に施す加工は、色・サイズ・ウェイト(太さ)の変更のみと決めましょう。このルールを守ることで、不用意にデザインの質を下げることがなくなります。

3-3. タイトルに一瞬で目がいくように要素にメリハリをつける

ホワイトペーパーの表紙で主役となるべきは「タイトル」です。

「メインタイトル」→「サブタイトル」の順に目が行くように、明確なメリハリ(強弱)をつけるようにしましょう。

メリハリがないと、読者の視線の行く先が定まらないまま、“3秒”が過ぎてしまいます。

▼ ×:メリハリがない例

ホワイトペーパー タイトルに一瞬で目がいくように要素にメリハリをつける ×:メリハリがない例

メリハリをつけるときには、「大げさかな?」と感じるほど、明確に強弱をつけるのがコツです。

誰がどんな見方をしても、100%の完璧さでタイトルに目がいくように作ってください。

3-4. センターや端をそろえる

最後に4つめのポイントは、センターや端をそろえることです。

“ズレ”があると、人は違和感を覚え、不完全なデザインだと認識します。配置、サイズ、間隔などをそろえることで、整ったデザインと感じるようになります。

▼ ×:ズレている例

センターや端を揃える ×:ズレている例

デザインに自信がない場合は、すべてセンターそろえにするのがおすすめです。

▼ ◎:センターそろえにした例

センターや端を揃える ◎:センター揃えにした例

たとえばPowerPointであれば、すべての要素を選択して、[整列]→[スライドに合わせて配置]にチェック→[左右中央揃え]で、正確にセンターそろえにできます。

PowerPoint [左右中央揃え]で、正確にセンター揃えにできる

センスに頼らず、良質なデザインを実現できますので、お試しください。

4. さらにワンランク上の表紙を作るエッセンス

ホワイトペーパー さらにワンランク上の表紙を作るエッセンス

最後に、さらにワンランク上の表紙を目指したい方向けのエッセンスを、お伝えします。

4-1. ベストセラー本の表紙にはヒントがある

表紙の作成スキルを上達させたいと思ったら、良質な表紙に、大量に触れることがおすすめです。

ただ、

「人気のあるホワイトペーパーの表紙を、大量に収集する」

のは、手間がかかる作業です。

そこで代替として使えるのが、ベストセラー本の表紙です。

書籍もホワイトペーパーも、

「一瞬で読者の心をつかみ、読んでもらう」

という目的は同じですから、書籍の表紙にはホワイトペーパーのヒントが詰まっています。

幸い、書籍ならAmazonなどで人気の高い本を、いつでも簡単に見ることができます。

例:Amazon.co.jp 売れ筋ランキング: ビジネス・経済

一流の書籍のような表紙を作ることができれば、ホワイトペーパーのダウンロード数を飛躍的に伸ばせるはずです。

4-2. 迷ったときはA/Bテスト

「どちらの表紙がよいか?」

と迷ったときには、A/Bテストを行いましょう。

2つ以上のバージョンの表紙を作成して、どのバージョンの効果が最もよかったか、データを取るのです。

ひとりでパソコンの前で悩み続けるのではなく、明らかなデータで答えを得たほうが、早く効果的な表紙にたどり着けます。

4-3. リソースが割けないときはプロに依頼

ほかの業務で忙しく、ホワイトペーパーの表紙にリソースが割けない場合もあるかもしれません。

そんなときには、「プロに外注する」という選択肢を検討しましょう。

弊社では、ホワイトペーパー制作代行サービスを提供していますので、お気軽にご相談ください。

5. まとめ

本記事では「ホワイトペーパーの表紙」をテーマに解説しました。要点を簡単にまとめます。

ホワイトペーパーの表紙が影響を及ぼす3つの数値として、以下があります。

  • ダウンロード数
  • 閲読率
  • 満足度

ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素は、次の4つです。

  • メインタイトル
  • サブタイトル
  • キービジュアル
  • 発行者(企業名・ロゴ)

ホワイトペーパーの表紙デザインを洗練させるテクニックとして以下をご紹介しました。

  • フォントや色を統一する
  • ドロップシャドウなどのテキスト装飾をしない
  • タイトルに一瞬で目がいくように要素にメリハリをつける
  • センターや端をそろえる

さらにワンランク上の表紙を作るエッセンスはこちらです。

  • ベストセラー本の表紙にはヒントがある
  • 迷ったときはA/Bテスト
  • リソースが割けないときはプロに依頼

本記事でお伝えしたことを踏まえつつ、表紙の作成を進めてみてください。今までよりも意図的に、効果の高い表紙を作れるはずです。

 

さらにノウハウを知りたい方むけに「ホワイトペーパー制作完全ガイダンス」をご用意しました。

  • 企画・構成の作り方を知りたい
  • ライティングのコツを知りたい
  • わかりやすく伝えるデザインのポイントを知りたい

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