SNS広告は従来のインターネット広告に比べ、簡単かつ低予算で始められる広告手法です。幅広いユーザー層にアプローチできることや、高精度なターゲティング配信が可能なことから、SNS広告で集客に成功する企業が増えています。
本記事ではSNS広告が注目されている背景やメリット・デメリットについて解説します。さらに記事後半では、6大SNS広告それぞれの特徴や費用相場、ターゲティング方法についても紹介します。SNS広告の運用を検討している企業や広告担当者は、本記事の内容をぜひ参考にしてください。
SNS広告とは、Twitter・Facebook・Instagram・TikTok・LINE・YouTubeなどのSNSプラットフォームで配信する広告のことを指します。SNS広告ではテキストとバナー画像、動画、静止画と動画を組み合わせたカルーセル、複数の画像を用いたカタログなど、様々なフォーマットで広告を訴求できます。
SNSは媒体によってユーザー属性が異なるため、自社のターゲットに近いユーザーが多く集まるSNSで広告を配信すれば高い広告効果が期待できます。広告予算や配信エリア、配信ターゲット層なども自社のニーズに合わせて細かく設定できるため、広告運用初心者でも始めやすいのが特徴です。
インターネットとスマートフォンの普及に伴って、SNSは私たちにとって必要不可欠な情報収集ツールとなりました。日本国民のSNS利用率について、総務省が令和2年に実施した調査結果は次のとおりです。
SNS | 利用率(全年代) |
LINE | 90.3% |
YouTube | 85.2% |
42.3% | |
42.3% | |
31.9% | |
TikTok | 17.3% |
※参照:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 ― 総務省情報通信施策研究所
人々のインターネット利用時間は、年代問わず増加傾向にあります。同調査の「令和2年度 主なメディアの平均利用時間」によると平日において、全年代平均でインターネット利用時間がリアルタイムのテレビ視聴時間を上回り、世代別に見ても10~40代と、広い年齢層でインターネット利用時間が上回っており、中でも10代・20代に関しては、録画も含めたテレビ視聴時間の倍以上の時間をインターネット利用に充てているという結果になりました。
インターネット利用時間、SNS利用率ともに毎年右肩上がりに上昇しており、今後もSNS利用率・利用時間は増加が予想されるため、今後もSNS広告の可能性にますます注目が集まっていくことでしょう。
SNS広告には、リスティング広告やディスプレイ広告といった従来のインターネット広告にはないメリットがあります。ここではSNS広告の代表的なメリットを3つピックアップし、それそれ紹介します。
SNS広告はユーザーの属性に基づいて、高精度なターゲティング配信が可能です。SNSユーザーは、SNSアカウントを作成する際に性別や年齢、居住地域、趣味などの個人情報を登録する必要があります。これらのユーザー情報に加えて、SNSにおけるユーザーの行動履歴を解析することによって、自社がアプローチしたいユーザーを絞り込んで広告を配信可能です。
例えば、「東京23区内在住の20代の女性で、美容や健康に関心の高いユーザー」や「IT企業に勤めていて、役職に就いている男性ユーザー」のように、自社の製品やサービスに合わせて広告を配信するユーザーをターゲティングできます。精度の高いターゲティングは、SNS広告の大きな武器です。
SNS広告は特定のニーズが顕在化したユーザーのみでなく、潜在層ユーザーにも訴求可能です。潜在層とは、まだ自社を認知していないユーザーや、将来的に特定のニーズを抱く可能性があるユーザーを指します。
例えばリスティング広告は、特定のキーワードで検索を行う主体的なユーザーに対してピンポイントで広告を配信する「プル型(引く)」の広告手法です。「プル型」広告はニーズが顕在化したユーザーに効率的にアプローチできますが、検索を行わないユーザーに対しては一切アプローチできません。
一方、SNS広告はSNSを利用するユーザーに対して広告を配信できる「プッシュ型(押す)」広告です。さらに、Twitterのように拡散機能を備えたSNSで広告を配信すれば、ユーザーによる二次拡散も期待できます。そのため、SNS広告は新規製品の認知度拡大や、自社を知らないユーザーに向けたブランディング強化にも適した広告手法といえます。
SNS広告はタイムライン画面やストーリーズ画面にて、一般ユーザーによるオーガニック投稿に混ざって配信されます。従来の広告手法と比べて広告感が弱く、ユーザーの目に止まりやすいのが大きなメリットです。
一般的に、「プッシュ型」広告はユーザーに無視されたり、警戒されやすい広告手法といわれています。ただし、SNS広告はタイムライン上やストーリーズ上で自然な形で配信されるため、ユーザーに嫌悪感を抱かれにくいのが特徴です。
上述したSNS広告のメリットは、同時にデメリットになる可能性があります。ここではSNS広告の主なデメリットを2つ取り上げ、それぞれのリスクや注意点について説明します。
SNSは拡散性に優れたメディアであるため、広告を配信すれば自社サービスの認知度向上が期待できます。しかし、情報が拡散されやすいがゆえに炎上も起こりやすく、ブランドイメージを損なってしまう恐れがあります。
SNS広告を運用する際は、広告文やクリエイティブがユーザーに悪い印象を与えないように注意しましょう。炎上を防止するためには、広告配信前に運用チーム内でテキスト内容や配信設定を入念に確認する必要があります。
SNSは種類によってユーザー属性が大きく異なります。そのため、広告を配信するSNSを間違えると、思うような広告効果が得られないことがあります。
例えば、TikTokは10代の間では50%以上の利用率を誇る一方で、30代以上の利用率は高くありません。Facebookはビジネスツールとして利用するユーザーが多く、Instagramは男女ともに最先端のカルチャーを情報収集するユーザーが多い傾向にあります。SNS広告で成果を出すためには、自社の広告ターゲットを明確にしたうえで、ユーザー属性の近いSNSを選定することが重要です。
SNSのなかでもFacebook、Instagram、Twitter、LINE、TikTok、YouTubeの6つはとくに利用率が高く、6大SNSと呼ばれています。企業がSNS広告を運用する場合、この6つのうちいずれかのSNSを利用するケースが一般的です。
6大SNSの主な特徴は次のとおりです。
SNS | 国内の月間アクティブユーザー数(推定) | 主な年齢層 |
2,600万人 | 20代〜40代 | |
3,300万人 | 10代〜50代 | |
4,500万人 | 10代〜50代 | |
LINE | 9,300万人 | 全年代 |
TikTok | 1,700万人 | 10代〜20代 |
YouTube | 7,000万人 | 全年代 |
※参照:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 ― 総務省情報通信施策研究所
ここでは6大SNSについて、それぞれの特徴やターゲット層を詳しく紹介します。
FacebookはアメリカのMeta社が運営するSNSプラットフォームです。日本国内での月間アクティブユーザー数は約2,600万人で、30代と40代のユーザーが特に多くなっています。
Facebookは実名登録で、1人のユーザーが複数のアカウントを所有できない仕様になっています。加えて、Facebookアカウントの作成には、氏名、性別、生年月日が必要で、更に居住地、学歴、職業、配偶者の有無、趣味、興味関心といった様々な情報を登録できます。Facebook広告ではこれらのユーザー情報に基づいて、配信ターゲットを詳細に設定可能です。
Facebookは性別間や世代別で見たときに、利用率の変化が比較的小さいSNSです。そのため、業界業種問わず幅広い製品やサービスの宣伝に向いているといえます。
また、Facebook広告ではユーザーの職業や趣味を絞り込んだターゲティングが可能です。したがって、経営者や起業家を対象としたウェビナーや、ツーリングが趣味のユーザーを対象としたアイテムなど、ピンポイントに訴求したい製品・サービスでも効果的にアプローチできます。
InstagramはFacebookと同様に、アメリカのMeta社が運営するSNSプラットフォームです。日本国内での月間アクティブユーザー数は約3,300万人で、10代から50代まで男女問わず多くのユーザーに利用されています。
Instagramは画像や動画などのビジュアル要素が強く、ファッションやカルチャーなど最先端の流行に敏感なユーザーに好まれています。そのためInstagram広告は、画像・動画で視覚的にアピールできる製品やサービスの広告の出稿先として有効です。また近年では、GoogleやYahoo!の代わりにInstagramで知りたいことを検索するユーザーが増えており、情報収集に積極的な、比較的興味・関心の高いユーザーへ訴求しやすい点もポイントです。
Instagramはとくに10代から20代の若年層ユーザーから頻繁に利用されています。さらに、他のSNSと違い、10代~60代の全年代において女性の利用比率が男性を上回っていることも大きな特徴です。
したがって、若年層の女性をターゲットとした広告を配信したい場合、Instagram広告の運用は欠かせないといえます。また、写真映えや動画映えするクリエイティブを使った広告の配信場所としても最適です。
TwitterはアメリカのTwitter社が運営するSNSプラットフォームです。日本国内での月間アクティブユーザー数は約4,500万人で、主に10代から50代まで幅広いユーザーが利用しています。
Twitter広告の大きな特徴は、広告ツイートに対して通常のツイートと同様に「いいね」「コメント」「リツイート」することができる点です。季節性や話題性の高いワードには#(ハッシュタグ)を付けることで、ユーザー間の二次拡散を促しやすくなります。
Twitterは世代や性別を問わず多くのユーザーに利用されていますが、TwitterはSNSの中でもとくにリアルタイム性が高いため、情報感度の高い10代から20代の利用率が特に高いのが特徴です。
また、先述した通りTwitterでは広告ツイートに対するユーザーのアクションによって二次拡散が見込めるため、Twitter広告は期間限定の製品やキャンペーンの宣伝に向いているといえます。例えば、「この投稿をいいね&リツイートしてくれた方のなかから、抽選で○名に特典をプレゼント」のように、ユーザーが思わずリアクションしたくなるような宣伝にも効果的です。
LINEを運営するLINE株式会社は、ソフトバンクグループの子会社です。日本国内での月間アクティブユーザー数は約9,300万人で、10代~60代の全世代で9割以上の利用率を誇ります。
今や我々の生活になくてはならないLINEは、他のSNSアプリを圧倒する利用率の高さが特徴です。また、SNSの中でもLINEのみを利用しているユーザーも多く、LINE広告は他のSNSではアプローチできないユーザー層も含め、年代問わず幅広い層にリーチできることが、最も大きな特徴であるといえます。
LINEはSNSのなかで最大のユーザー数を誇る一方で、広告媒体としては他のSNSよりも基準が厳しいという特徴があります。例えば、アダルト系やマッチングサイトなどのコンテンツはLINE広告で配信できません。
LINE広告では、広告ガイドラインに違反しない限り比較的どんな製品でも、年齢層問わず幅広いターゲット層への訴求が可能であるといえます。
TikTokは中国のバイトダンス社が運営するSNSプラットフォームです。日本国内での月間アクティブユーザー数は約1,700万人と、他の6大SNSと比較すると小規模ながら、2017年の日本リリースから急速に普及し続けています。
TikTok広告の最大の特徴は、BGM付きのショートムービー形式である点です。また、ユーザーの通常の投稿と似た形式であるため反応が得やすく、広告動画自体の内容がユーザーの興味・関心に合致すれば、爆発的な二次拡散を期待できます。
TikTokはユーザーの大多数が20代以下で、動画クリエイティブを前提としたビジュアル要素の強い媒体です。したがって、若者をターゲットとした商材で、なおかつ動画映えしたクリエイティブで広告を訴求する場合に向いています。
実際の広告事例としては、飲食店のおすすめメニューや調理風景の紹介、アパレルブランドの最新アイテム紹介、美容室のヘアカットの様子をビフォーアフター形式で紹介、などが挙げられます。
YouTubeはアメリカのGoogle社が運営する動画投稿サイトです。日本国内での月間アクティブユーザー数は約7,000万人で、動画プラットフォームのなかでは全年代において最高利用率を誇ります。
YouTube広告はユーザーの再生する動画の前後や途中に差し込まれる動画広告です。ユーザー数が多いことに加え、YouTubeを利用の主目的が動画視聴という特性上、SNSの中でも高頻度で長時間利用しているユーザーが多く、YouTube広告はユーザーとの接点を多く持ちやすいことが特徴として挙げられます。
YouTubeは10代から60代まで、全年代のユーザーに広く利用されています。したがって、ターゲットの年代や性別、居住エリア、趣味趣向を問わず、あらゆる広告の配信に向いているSNSといえます。
なお、YouTube広告は動画素材を用いることが大前提です。動画を用意できない場合は、テキストや画像だけで広告を配信できる別のSNSプラットフォームを選びましょう。
SNS広告のほとんどは、テレビや新聞などの広告の様に「〇ヶ月配信(掲載)して●万円」等のように、事前に決められた金額で運用されているわけではありません。
SNS広告は基本的に、運用型広告という手法をとっており、広告が出稿された後、表示回数やクリック回数などのアクションによって費用が決定されます。そのため目指す成果から逆算して費用感が計算しやすく、自社の目的や予算に合わせて柔軟に設計して運用できます。
SNS広告の主な費用体系と計算方法は次のとおりです。
費用体系 | 費用の計算方法 |
インプレッション課金(CPM:Cost Per Impresstion) | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
クリック課金(CPC:Cost Per Click) | 広告がクリックされるごとに費用が発生する |
動画視聴課金(CPV:Cost Per Video) | 広告の動画が再生されるごとに費用が発生する |
エンゲージメント課金(CPE:Cost Per Engagement) | 広告にいいねやリツイート、コメントなどが付くごとに費用が発生する |
アプリインストール課金(CPI:Cost Per Installation) | 広告で紹介したアプリがインストールされるごとに費用が発生する |
フォロワー課金(CPF:Cost Per Follower) | 広告アカウントのフォロワーが増えるごとに費用が発生する |
同じ費用体系で広告を配信した場合でも、取り扱う商材が違ったり、広告を配信するSNSが違えば単価は変動します。SNSごとの費用相場については、この次の章から詳しく解説していきますのでご参照ください。
Facebookは先述の通り、30代~40代の利用者が多く利用しているプラットフォームです。また、実名登録制であることや多くの個人情報を登録するSNSであるため、これらの情報を利用して信憑性の高いターゲティングが可能です。ここでは、Facebook広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
Facebook広告では、ユーザーのタイムライン上やストーリーズ上で広告を配信できます。また、PCユーザーの場合は画面右上の広告枠、モバイルユーザーに対してはMessenger内にも広告を掲載できます。
Facebookで配信できる広告フォーマットは次の通りです。
Facebook広告の種類については、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
Facebook広告の費用体系にはインプレッション課金とクリック課金があります。費用体系ごとの費用相場は次の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションあたり100〜500円程度 |
クリック課金 | 1クリックあたり100〜300円 程度 |
Facebook広告の費用や仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
Facebook広告では、ユーザーのアカウント情報に基づいて広告配信先をターゲティングできます。Facebookは6大SNSのなかで唯一、実名登録が義務付けられたSNSです。本名のほかにも、趣味や職業、配偶者の有無など、ユーザーはかなり細かく個人情報を登録しているため、信憑性の高いターゲティングが可能です。
また、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスを活用して、よりコンバージョンの確度の高いユーザーへのアプローチが可能な点も大きな特徴です。
Facebook広告のカスタムオーディエンスについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
Instagram広告はビジュアルでの訴求力が高く、Facebookとの連携により、Facebook同様に精度の高いターゲティングが可能な広告です。ここではInstagram広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
Instagram広告はFacebookと同様、タイムライン上やストーリーズ上で広告を配信できます。加えて、ユーザーが#(ハッシュタグ)を使って情報を検索する「発見タブ」画面においても、検索ワードに関連した広告を掲載できます。
Instagramで配信できる広告フォーマットは次の通りです。
※参照:Metaビジネスヘルプセンター Instagram広告のフォーマットについて
Instagram広告の予算としては、こちらも目的や商材で前後はしますが、月間3~10万円を目安に始めるのがおすすめです。課金方式としてはインプレッション課金、クリック課金、動画再生課金、アプリインストール課金があり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションあたり500〜1,000円 |
クリック課金 | 1クリックあたり40〜100円 |
動画再生課金 | 1再生あたり4〜7円 |
アプリインストール課金 | 1インストールあたり100〜150円 |
また、Instagram広告ではインフルエンサー(インスタグラマー)に広告を依頼するケースも多々あり、この場合フォロワー1人あたり2~6円が相場です。後述するTikTokやYouTubeでもインフルエンサーへ広告を依頼するケースが多くありますが、多少の差異はあるものの、どちらも相場としては同範囲です。
Instagram広告のターゲティング方法としては、ユーザーの興味関心や行動特性を分析するインタレストターゲティングが特徴的です。ユーザーのニーズを汲み取ることができれば、自社広告のターゲットに近いユーザーに対して集中的に広告を配信できます。
また、InstagramはFacebookと同じく、アメリカのMeta社が運営するSNSプラットフォームです。そのため、Instagramで広告を配信する場合にもFacebook広告と同じシステムを利用して広告を効率的に運用できます。
Twitter広告は、ユーザーのアクションによる二次拡散が期待できるという点が、最も特徴的な広告です。ここからは、Twitter広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
Twitter広告では一般ユーザーのタイムライン上で広告ツイートを配信できます。Twitterで配信できる広告フォーマットは次の通りです。
※参照:Twitter広告のフォーマット
Twitter広告の予算としては、成果を得るための最低ラインとしては月間数万円、目安としては10万~30万円を想定しておきましょう。課金方式にはインプレッション課金、エンゲージメント課金、フォロワー課金、クリック課金、動画化再生課金、アプリインストール課金があり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションあたり400〜650円 |
エンゲージメント課金 | 1エンゲージメントあたり40〜100円 |
フォロワー課金 | 1フォロワーあたり40〜100円 |
クリック課金 | 1クリックあたり24〜200円 |
動画再生課金 | 1再生あたり5~20円 |
アプリインストール課金 | 1インストールあたり100~250円 |
Twitter広告では、ユーザーの属性に基づくターゲティングや、ツイート内容などで絞り込むキーワードターゲティング、特定のアカウントをフォローしているユーザーへのターゲティングなどが可能です。なかでも特筆すべきは、ユーザーのツイート内容に基づいた「キーワードターゲティング」でしょう。
例えばダイエット商品を広告する場合、「痩せたい」「太った」「ダイエット」などのキーワードをツイートしたユーザーに対して集中的に広告を配信できます。ユーザーの感情や思考に合わせたターゲティングは、Twitter広告の大きな強みです。
LINEは圧倒的なユーザー数と、その層の広さが強みのSNSです。そのため、LINE広告では幅広い年齢層や属性のターゲットにリーチすることができます。
ここでは、LINE広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
LINE広告では、トークリストの画面最上部、LINE NEWSページ内、タイムライン上などで広告を配信できます。LINEで配信できる広告フォーマットは次の通りです。
※参照:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて
LINE広告にかける予算としてはLINE公式によると、30万円の出稿を3ヶ月以上続けることで、安定した配信効果を得られるといわれています。この程度の予算を目安に想定しておくと良いでしょう。
※参考:LINE広告の特長とは?配信面や費用、導入事例を総まとめ 「2-1. LINE広告で用意すべき予算と出稿期間について」
課金方式としてはクリック課金、インプレッション課金、友だち追加課金があり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
クリック課金 | 1クリックあたり40~150円 |
インプレッション課金 | 1000インプレッションあたり400~900円 |
友だち追加課金 | 1人追加につき100~400円 |
LINEユーザーはアカウント作成時に、年齢、性別、地域、利用OS、趣味、関心、行動、属性などの情報を登録しています。これらの登録情報と、スタンプ購入履歴や友だち追加履歴などの行動特性を掛け合わせることで高精度なターゲティングが可能です。また、その圧倒的な利用者数と層から、他のSNSは利用していない層をターゲティングできる点も、LINE広告の強みであるといえます。
ショートムービー形式のTikTok広告は、ユーザーの興味に合致すると爆発的な二次拡散を期待できるのが特徴的な広告です。ここからは、TikTok広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
TikTok広告では、ユーザーによるオーガニック投稿の間に広告を配信するインフィード広告が基本です。他にも、1日1社限定で全ユーザーのアプリ起動時に広告を表示できる起動画面広告、広告のテーマとなる#(ハッシュタグ)を用意してユーザーによる二次拡散を促すチャレンジ広告、他のSNS同様に予算に合わせて組み立てて出稿できる運用型広告があります。
なお、TikTokで配信できる主な広告フォーマットは動画広告のみです。
※参照:図解でわかるTikTokの広告メニュー | 【公式】TikTok for Business: TikTok広告
TikTok広告の予算は、配信する広告の種別によって大きく異なります。運用型広告であれば予算に合わせて設計することが可能ですが、インフィード広告の場合は42万円から、チャレンジ広告の場合1,000万円から、起動画面広告の場合はインプレッションによって金額は変動しますが約500万円が相場となっています。課金方式としてはインプレッション課金、クリック課金、動画再生課金、期間契約型の4種類があり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションあたり100〜1,000円 |
クリック課金 | 1クリックあたり30〜100円 |
再生課金 | 1再生あたり5〜60円 |
期間契約型 | チャレンジ広告:1,000万~2,000万円インフィード広告:42万円〜625万円 |
TikTok広告では、配信対象の年齢を「無制限/13〜17歳/18〜24歳・25〜34歳/35〜44歳/45〜54歳/55歳以上」から設定できます。とくに、10代のユーザーを13〜17歳と18〜24歳に分けてターゲティングできるのがTikTokの特徴です。TikTokは10代ユーザーが圧倒的に多いSNSであるため、若者をターゲティングしたい広告主におすすめです。
YouTube広告は、高年齢層含む幅広い世代にアプローチが可能で、コンテンツ前後や途中で配信されるため視聴されやすいことが特徴的な広告です。ここからは、YouTube広告の種類や費用、ターゲティングについてお伝えします。
YouTube広告には、再生開始5秒後からスキップできるスキッパブル広告とスキップできないノンスキッパブル広告に分かれます。ノンスキッパブル広告は、広告動画の長さが15秒以下の場合のみ利用できます。
YouTube広告はYouTube動画の再生前後、および再生中に配信可能です。その他、YouTubeの検索結果や関連動画のなかに混ざって配信できるTrueViewディスカバリー広告、ホーム画面最上部に掲載できるマストヘッド広告などもあります。
なお、YouTube広告で配信できる広告フォーマットは動画広告のみです。
※参照:動画広告フォーマットの概要 – YouTube ヘルプ
YouTube広告の予算としては、月間10万~30万円を目安にするのが良いでしょう。ただし、YouTube広告で最も目立つマストヘッド広告の場合は1日あたり数十万~数百万円の相場となります。課金方式としてはインプレッション課金、クリック課金、動画再生課金があり、それぞれの費用相場は以下の通りです。
費用体系 | 費用相場 |
インプレッション課金 | 1,000インプレッションあたり300〜700円 |
クリック課金 | 1クリックあたり2〜30円 |
動画再生課金 | 1再生あたり3~20円 |
YouTubeはアメリカのGoogle社が運営する動画プラットフォームです。したがって、YouTube広告を配信する際はGoogle社が保有する膨大なユーザーデータに基づいたターゲティングが可能です。ユーザーがよく視聴している動画コンテンツのカテゴリやトピックに基づいてターゲティングできるほか、世帯収入や配偶者の有無といったユーザー属性もターゲティングできます。
6大SNSはそれぞれ媒体特性が異なるものの、SNS広告で効果を出すためにはいくつかの共通ポイントがあります。ここではSNSで効果を出すために知っておきたい5つのコツを紹介します。
SNS広告を配信する前に、どのようなユーザーに広告を届けたいのかを明確にしておく必要があります。SNS広告は他の広告手法に比べてターゲティング精度が高いのが強みです。ターゲティング機能を有効活用するためにも、広告を配信するにあたって効果的なターゲットのペルソナをしっかり設定しておきましょう。
また、詳細なターゲティングができるからこそ、広告効果を最大化させるために、広告自体の調整やブラッシュアップ、効果的なターゲット層の見直し・選定も重要です。
SNS広告を運用する際は、定量的な目標設定を忘れないようにしましょう。企業のSNS運用担当者150人を対象とした調査レポートによると、SNS運用においてはフォロワー数や友だち数をKPI(重要業績評価指数)に設定しているケースが最も多いとのことです。この他、代表的な定量的目標としては、インプレッション数、ページビュー数、コンバージョン数などが挙げられます。
KPIの設定は、SNS広告の費用対効果を客観的に分析するうえで欠かせません。自社や製品の立ち位置を踏まえ、マーケティングの目的を明確にし、しっかりとKPIを定めた上で、戦略的にSNS広告を運用することが重要です。
上述したKPI・目標設計ができたら、次はSNS広告上のコンバージョンの設定について検討しましょう。コンバージョンとは、広告から得られる最終的な成果のことを指し、広告の運用目的によって異なる指標が設定されます。
例えば、新規サービスの認知拡大を目的としたSNS広告の場合、コンバージョンはインプレッション数やリーチ数が考えられます。一方、LPなど外部サイトへの誘導が目的ならリンククリックがコンバージョンになるでしょう。広告運用の目的によって目指すべきゴールも異なるため、自社にとってどのようなコンバージョン設定が必要なのか、しっかりと吟味しなければなりません。
広告のクリック数や再生時間を増やすためには、魅力的なクリエイティブが必要です。SNS広告は静止画とテキストさえ用意すれば配信できるものもありますが、単調なクリエイティブの場合ユーザーから無視される可能性があります。
一つのSNSでも配信できる広告の種類は様々で、静止画か動画か、どのような見せ方をするのかで大きく効果が異なってきます。また、静止画と動画を組み合わせるカルーセル広告や、画像ごとに異なるリンクを設定したコレクション広告なども配信可能です。
クリエイティブの内容によってユーザーに与える印象や効果は大きく変わってきますので、配信する広告の形式とより親和性の高いクリエイティブを用意するようにしましょう。
たとえ魅力的なクリエイティブであっても、長期間にわたって同じクリエイティブを使い続けることは避けましょう。ユーザーが一日に何度も訪れるというSNSの特性も相まって、同じクリエイティブを使い回しているとユーザーの目が慣れてしまい、広告が無視されやすくなってしまいます。
SNSを運用する際は複数のクリエイティブを用意しておき、ABテストを行いながら効果検証を繰り返しましょう。パフォーマンスの低いクリエィティブは特に速やかに差し替え、効果の高いクリエイティブは成功要因を分析してその後の広告運用に活かします。SNS広告運用においては、常にPDCAを回し、広告をブラッシュアップし続ける必要性が高いことに留意しましょう。
本記事ではSNS広告の意味や特徴、他の広告と比較したSNS広告のメリット・デメリット、6大SNS広告それぞれのターゲットや費用間、SNS広告運用で成果を出すポイントなどについて、まとめてご紹介しました。
実際にSNS広告を運用する際は、しっかりとしたSNSマーケティング戦略を持って運用することが重要です。きちんとしたKPI設定をした上で、ターゲットと合致したSNSの選定や広告予算の検討、コンバージョンの設定など、入念に戦略を練って運用するようにしましょう。