関連度スコアとは?新たな3つの指標となった広告関連度診断についても解説

Facebook広告の運用にご興味のある方はいらっしゃいますか?もし興味があるのであれば、「関連度スコア」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

Facebookの関連度スコアは、広告の効果を示す指標として、広告主にとって重要な指標でした。2020年に関連度スコアは廃止されましたが、それに代わり、広告の関連性を知ることができる3つの新しい指標を導入しました。

この記事では、関連度スコアについて、どのように置き換えられたのか、そして新しい広告関連性指標が広告主にとってどのような意味を持つのかについて説明します。

Facebook広告の関連度スコアとは

2020年に廃止される前、Facebookの関連度スコアは広告の効果を示すものとして、広告主にとって重要な指標となっていました。

これは、広告がユーザーの興味にどれだけマッチしているかが1〜10までのスコアで採点されるというものでした。

ユーザーが広告を特に関連性が高いと感じた場合、その広告はより高い関連度スコアを獲得するといったような感じです。

しかし、関連度スコアは廃止され、広告の関連性をより深く理解するために広告関連度診断という3つの新しい指標に置き換わりました。

広告関連度診断は各項目で「平均以上」「平均」「平均以下(下位35%)」「平均以下(下位20%)」「平均以下(下位10%)」の5段階で評価されます。この評価をもとに何を修正すべきかを考え、改善することでよりよい広告をFacebook上に出すことができます。

関連度スコアから広告関連度診断へ

Facebookは関連度スコアの代わりに、広告の関連度診断を導入しました。これは、品質ランキング、エンゲージメント率ランキング、コンバージョン率ランキングという3つの指標で構成されています。

これらの指標はそれぞれ異なる方法で広告の関連性を測定し、広告のパフォーマンスをより包括的に見ることができます。

品質ランキング

品質ランキングは、新たに追加された3つの指標のうちの1つの指標で、広告が適切な利用者にリーチする能力を測定します。つまり、広告の総合的な品質を測定する指標です。これには、広告テキストの正確さ、ビジュアルの品質、広告自体の構造などの要素が含まれます。

特定の広告への反応を他の類似広告と比較することで算出されます。広告の品質スコアが高いほど、より正確にターゲティングされており、より効果的である可能性が高くなります。

広告キャンペーンの効果を測る指標として、また広告の最適化を改善するためのツールとして使用されるべきものとなっています。

上記の通り、この項目においても「平均以上」「平均」「平均以下(下位35%)」「平均以下(下位20%)」「下位平均以下(10%)」の5段階で評価されます。「平均以上」を確実にできるように広告の品質を上げることが重要となります。

エンゲージメント率ランキング

エンゲージメント率ランキングは、3つの新しい指標のうちの2つ目の指標であり、広告が意図した読者にどれだけ響いたかを測定するものです。この指標は、「いいね」、「シェア」、「コメント」、「ビュー」などの要素を考慮したものとなっています。

他の類似広告とのエンゲージメント率(いいね、コメント、シェアなど)を比較することで算出されます。

エンゲージメント率ランキングが高いほど、その広告が意図するオーディエンスに効果的に響いていることを示すので、最適な広告配置や最適化を決定するために使用されるべき指標です。

コンバージョン率ランキング

コンバージョン率ランキングは、3つの新しい指標のうちの最後の指標であり、ユーザーが希望する行動(製品の購入やサービスの申し込みなど)を起こすための広告の効果を測定するものです。キャンペーンの目的に応じて、商品の購入やニュースレターへの登録など、様々なアクションが考えられます。

この指標は、広告のコンバージョン率を他の類似広告と比較することで算出されます。

コンバージョン率の順位が高いほど、その広告が効果的にユーザーの行動を引き起こしていることを示しており、広告キャンペーンが目的の結果を達成するためにどれだけ効果的であるかを判断するために使用されるべき指標といえるでしょう。

広告関連度診断を確認する方法

Facebook広告の広告関連度診断は、管理画面の広告レポート、もしくは広告セットから確認することができます。

デフォルトでは表示されないようになっているため、レポート画面の「カスタム」をクリックし、プルダウンから「列をカスタマイズ」を選択し、手動で追加を行わなければなりません。

また、広告関連度診断は正確性の問題から、広告インプレッションが500未満の場合には利用できないので、注意しましょう。

広告関連度診断の活用方法

広告関連性診断では、広告のパフォーマンスが低下している原因について、貴重な洞察を得ることができますが、それらを見るだけではなく運用に活用することが重要です。

この章では、「平均以下」という評価になってしまった場合に何を見て、何を改善しなければならないのかを解説します。

低品質な広告とみなされている場合

「品質ランキング」が平均以下、または「エンゲージメント率ランキング」が平均以下の場合、広告の品質が低いと判断されます。

低品質な広告は効果が期待できないため、低品質と評価される原因となり得る問題を考慮しなければなりません。低品質な画像の使用や、ターゲットと関係のない表現などが考えられます。

品質ランキングのスコアは、広告がFacebook上のターゲットにどれだけメッセージを訴求できるかを評価するものです。広告のスコアが低い場合、ターゲットに効果的にリーチできていないことを意味します。広告の内容、デザイン、ターゲティングを見直し、ターゲットに合った広告になっているか確認する必要があります。

広告がコンバージョンにつながっていない場合

コンバージョン率ランキングが平均以下である場合、広告がコンバージョンにつながらないことを示している可能性があります。

これは、関連するターゲティングの不足、不完全なA/Bテスト、またはCTAの不適切な使用によるものである可能性があります。ユーザーの行動を妨げている可能性がある問題を検討します。

コンバージョン率ランキングのスコアは、広告を見た後にアクションを起こしたユーザーを追跡することで、広告の効果を測定します。

広告のコンバージョン率ランキングのスコアが低い場合、広告がユーザーを顧客に転換できていないことを意味します。CTA、価格体系、ターゲティングなどを見直し、顧客に訴求する広告にする必要があります。

広告が関心を集めていない場合

エンゲージメント率ランキングが平均以下の場合、その広告が関心を集められていない可能性があります。

これは、コンテンツが複雑すぎたり、テキストが多すぎたり、クリエイティブが十分に魅力的でないことが原因である可能性があります。ユーザーが広告を無視する原因となっている可能性のある問題を検討します。

エンゲージメント率ランキングのスコアは、広告に「いいね!」「コメント」「シェア」をしている人の数を測定します。広告のエンゲージメント率ランキングのスコアが低い場合、広告がターゲット層から関心を得られていないことを意味します。広告の内容、デザイン、ターゲティングを見直しましょう。

クリエイティブの見直しで確認したいポイント

「低品質な広告」と評価されている場合、クリエイティブを見直す必要があるかもしれません。Facebookの推奨設定を行っていない広告や、またはルールを守っていない広告を配信してしまっている可能性があります。

下記項目で、「低品質な広告」の場合のクリエイティブ改善例を紹介するので、自身の広告で改善が必要でないかどうか確認してみてください。

画像内のテキスト面積が大きすぎていないか

以前までは、「画像内のテキスト量は20%未満でなければならない」という、20%ルールがありましたが現在は、そのルールも廃止されテキストの量の制限は無くなり、ルール廃止前使用されていたテキストオーバーレイツールなども使用できなくなりました。

しかし、ルールが廃止された現在でも、Facebook公式は画像内のテキスト量が20%未満の方が広告のパフォーマンスが高まることから以下​​の数値を推奨しています。

デザイン時の推奨事項

  • 画像データタイプ:JPGもしくはPNG
  • アスペクト比:1.91もしくは1:1
  • 解像度:1,080×1.080ピクセル以上(解像度の上限なし)

テキストの推奨事項

  • メインテキスト:125文字以内
  • 見出し:40文字以内
  • 説明30文字以内

上記の数値を参考に、広告内の画像や、動画にテキストが多すぎないか見直してみましょう。

参考元:Facebook画像広告ガイド

情報を隠し過ぎた広告になっていないか

クリエイティブの審査で考慮すべきもう1つのポイントは、広告に隠されている情報の量です。Facebookのポリシーでは、すべての広告で広告の対象となる製品やサービスを明確に示すことが求められています。

広告が重要な情報を隠している場合、消費者を騙す行為につながり、最悪のケースだと消費者庁の指導が入る事態にまで発展します。

上記のことから広告では、何が提供され、何に費用がかかるかを率直に伝えることが重要です。

参考元:Facebook広告規定の紹介

誇張表現になっていないか

最後に、広告を作成する際に、大げさな表現は避けるべきです。理由としてFacebookでは、事実とかけはなれたことを記載したり、実績やサービス内容を誇張表現することは禁止されているからです。

それでも広告内で誇張した表現を扱った場合、ユーザーのエンゲージメントを稼ぐ目的だと誤認されスパム広告と判断される恐れがあります。

また、薬機法や景品表示法などの規制も年々厳しくなっており、誇張表現を扱う事で出稿停止になることもあります。

上記のことから、広告規定を守って作成するよう気を付けましょう。

参考元:Facebook広告規定の紹介

広告関連度診断による改善を行う際の注意点

広告関連度診断を使って改善を行う際にはいくつかの注意点があります。特に注意すべき点である「広告関連度診断の結果を上げることを目的にしない」、「平均以下だからすべて対応する必要はない」という2点を解説します。

広告関連度診断結果を上げることを目的にしない

多くの人は広告関連度診断の結果を受け、3つの指標のランキングを高めることを目的にしてしまいがちです。

しかし、本当に大切なのは目的の最適化です。ランキングが低くても目的を達成できることもあり、ランキングが高いのに目的が達成されないというケースもあります。

広告の改善を行う際には、広告関連度評価の結果を改善することに重点を置かないことです。つまり、これら3つのスコアの増減をメインの目的にするべきではありません。

「平均以下」でも対応しなくてもいい場合がある

広告の中には、パフォーマンスが良くても、広告関連度評価で「平均以下」と判断されることがあります。これは、Facebookが他の要素を考慮しているために起こりうることです。

そのような中で注意すべきは、「平均以下」のスコアを持つ広告のすべてに対処が必要なわけではないことです。

広告が望ましい結果(クリック数、コンバージョン数など)をもたらしている場合は、何も変更する必要はありません。しかし、広告が望ましい結果をもたらしていない場合は、改善の参考としましょう。

まとめ

2020年にFacebook広告の関連度スコアはすでに廃止され、その代わりとして、3つの指標からなる広告関連度診断が作られました。

この広告関連度診断の運用での活用をすることで、より効果的なWebマーケティングをできるようになっています。

広告関連度診断を効果的に使うのは良いですが、スコアに目がいきがちであることが原因でスコアを上げることが目的にならないように注意してください。

広告関連度診断を活用して効率的な広告にブラッシュアップするという目的を持ち、運用に組み込んで活用するようにしましょう。

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